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さて、今回は地球SOSパート3として、最近はマスコミでも頻繁に取り上げられております、「ダイオキシンの脅威」をお伝えさせていただきます。
この問題は専門的分野であることから、ネットワーク「地球村」のデーターをたっぷりと活用させていただき、皆さんに事実を知っていただこうと思います。
ダイオキシンとは猛毒も化学物質であり、ベトナム戦争で米軍が大量に投下した「枯葉剤」に使用されていたことで、広く世に知れ渡ることとなった。
「枯葉剤」は戦争終結後も、ベトナムに深い爪痕を残し、死産・流産の多発、ベトちゃん・ドクちゃんのような奇形児誕生と言った多くの悲劇をもたらした。
ダイオキシンは、ガン、アトピー、ぜんそく、アレルギー、奇形、生殖機能や免疫力の低下、ホルモン代謝障害などの原因となる。
しかも、恐ろしいことに、誰でも、何処でも、何時でも、簡単に作り出せるのだ。
プラスティック、食品トレイ、パック、ラップ、ペットボトルなど、生活に深く溶け込んでいるものを、低音(800℃以下)で燃やすだけで、猛毒のダイオキシンが発生するのである。
その毒性は、あの地下鉄サリン事件で使われた「サリン」の十倍、殺人事件でよく登場する「青酸カリ」の千倍の強さである。
ゴミ焼却場、産業廃棄物処理上などの施設においては、管理体制や施設の性能に問題があれば、住民が気づかないうちに、大量のダイオキシンが撒き散らされる。
周辺に住む人々の体には、自覚症状のないままにダイオキシンが蓄積されてゆくのだ。
今年に入り、兵庫県千種町のゴミ焼却施設の排ガスや、大阪能勢町の同施設の周辺土壌から、極めて高濃度のダイオキシンが検出されたことが全国報道された。
能勢町の場合は、焼却炉から出た灰を、敷地内に大量に放置していたことが、主たる原因である可能性が高いといわれている。
しかも、同施設では測定調査の際、その時だけ意図的にダイオキシン排出量を減らす特別な対応をしていたというのであるから、お話にもならない。
この量施設と同タイプの焼却炉を使用している他の4県で調査を行ったところ、うち3県で基準値を超えるダイオキシンが検出されたことも明らかになっている。
さらに言えば、日本の場合、そもそもこも基準値なるものが、極めて甘いのである。
たとえば、ダイオキシンの場合、欧米の焼却場は0.1ナノグラム(ナノは十億分の一)以上で閉鎖、850℃以上での焼却、除去フィルターの設置、残灰の完全保存の義務づけなど、厳しい規制が設けられている。
日本の場合、厚生省が1997年にまとめたダイオキシン排出基準によれば、80ナノグラム以上の施設の改修、改善、休廃止の指導というものであり、比較にもならない。
数値だけ見ても、実に800倍という驚くべき甘さであり、基準を超えるものについても「指導」という言葉で片付けられている。
そして、何か問題が起こらなければ知らされないし、誰か犠牲者が出なければ、対策も打たれないということが繰り返されている。
ダイオキシンなどに関する事実が次から次へと明らかになるに連れ、関係省庁も遅まきながら、重い腰を上げ始めている。
厚生省では、昨年秋から初産婦の母乳中に含まれるダイオキシン濃度の調査を開始したが、データー収集だけで、今後5年間かかるとのことである。
通産省では2000年度をめどに、工場や事業所などの化学物質排出量の報告を、義務づける制度を導入する方針をようやく打ち出した。
こうした遅れがちな姿勢は、規制強化によるコストアップを避けようとする関連業界が、「景気への悪影響」という言葉を錦の御旗に、政治や行政に働き掛けてきた効果であるのかもしれない。
そう、「悪魔のトライアングル」である。
政治屋は「国民のため」にとの声とは裏腹に、票や献金の誘惑に屈してきたのではあるまいか。
対策についても、その場しのぎの政策ばかりであり、他の先進諸国のように、根本的な問題にはなんら踏み込んではいない。
こと、環境問題に関しては、日本は間違いなく発展途上国といえよう。