中村時広

昭和35年1月25日生まれ
趣味/読書、スキー、バドミントン
尊敬する人/福沢諭吉
座右の銘/至誠通天

【中村時広事務所】

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DJ中村時広 FM愛媛/えひめ・熱中・夢中人! 南海放送ラジオ/おーい中村さん!

 感動物語「生きるチカラ」

 今週も先週に続きまして愛媛県の昨年度に実施した事業、「愛顔感動ものがたり」の入選作朗読をお送り致します。 この事業では、人それぞれの人生における愛顔に繋がる感動的なエピソードを、800字以内の文章で募集しました。 新井満さん、紺野美沙子さん、水城奈々さんらの協力を得て、今年1月に表彰式を実施、会場を埋め尽くした県民の皆さんを感動の世界へ誘うこととなり、事業の継続が決定、今年も7月末まで作品を募集中です。
 それでは今週は、埼玉県の瀬戸桃子さんの作品「生きるチ・カ・ラ」をお届けします。 ここに登場するおじいさんは、当時余命半年の宣告を受けましたが、一年半近く経った現在もご健在です。お聞き下さい。
 今年のはじめ、父が余命宣告をうけた。 末期ガンでもって半年。明るく、冗談ばっかりの父から笑顔が消えた。傍らの母も泣いてばかり。おろおろするばかりの私は、何もできない。  そんな時、娘がこんなことを言った。 「私、じじと文通しようと思う。」  孫十一歳、じじ七十歳。今まで、殆ど交流のなかった二人の文通がはじまった。
 娘の手紙には励ましの言葉はない。それでも娘の手紙は、魔法のようにじじの心をつかんだ。じじの好きな音楽やドラマの話。じじの子供の頃の夢の話。娘の将来の夢の話。時には、娘のクラスにいるオネエの男の子の話。
 ある時、娘が 「じじの未来の夢はなに?」 と聞いた。もう未来なんてこないと思っていたじじは、返事に困った。けれど、文字で書いているうちに、どんどん楽しくなっていった。
 じじの夢は、岡山の田舎でピオーネを作ること。しかし、病気になってから、あきらめていた。手紙を出したその日、じじは岡山へ行った。抗ガン剤治療をうけながら作業することは容易ではない。でも、父の顔には、以前のような笑顔がもどった。  いつしか娘は、じじの返事が待ち遠しくて、ポストを開けたり閉めたりするようになった。じじは、文通が「生きる力」と言っている。私は大切なものを二人から教えてもらった。
 あれから半年が過ぎ、もうすぐ暑い夏がやってくる。  二十通目は、  「二人で、岡山へ行く計画だよ。」 娘が、ニコニコして私に教えてくれた。