中村時広

昭和35年1月25日生まれ
趣味/読書、スキー、バドミントン
尊敬する人/福沢諭吉
座右の銘/至誠通天

【中村時広事務所】

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DJ中村時広 FM愛媛/えひめ・熱中・夢中人! 南海放送ラジオ/おーい中村さん!

7月18日放送分 感動物語「それぞれの高校野球」

 今週も先週に続きまして愛媛県の昨年度に実施した事業、「愛顔感動ものがたり」の入選作朗読をお送り致します。 この事業では、人それぞれの人生における愛顔に繋がる感動的なエピソードを、800字以内の文章で募集しました。 新井満さん、紺野美沙子さん、水城奈々さんらの協力を得て、今年1月に表彰式を実施、会場を埋め尽くした県民の皆さんを感動の世界へ誘うこととなり、事業の継続が決定、今年も7月末まで作品を募集中です。
 それでは今週は、地元愛媛県の高校生・田村直巳君の作品「それぞれの高校野球」をお届けします。お聞き下さい。
 「おつかれさん」  高校野球の世界では、最後の大会が始まる前にユニフォームを脱ぐ者たちがいる。自分はその一人である。  野球はチームプレーであり、それぞれの適材適所がある。たとえ実力があってもマネージャーを任されることもあれば、ポジションを変更されることもある。 そして夏の大会が近づいてくると、さらに役割が明確になってくる。
 その中で自分は、応援団長という役割を、大会一ヶ月前に任せられた。  一人また一人と役割が決まっていく中、ユニフォームを脱ぐ前日、自分は個人ノックを受けることになった。  「田村、最後の個人ノックだ」 そう言われた瞬間、「ああ、これが最後か」という心残りが生まれた。 そうして個人ノックが始まり、一球、二球、三球と前後左右に揺さぶられ、呼吸は乱れ、足もろくに動かなくなり、何球受けているのかもわからなくなってきたとき、「頑張れ!」という力強い声が響いた。 足元しか見られなくなっていた自分が顔を上げると、そこには三年生を中心とした部員全員が、自分の周りを囲んでいた。  「田村!」「田村さん!」  仲間が自分の名前を呼び、応援してくれていた。練習で体力が尽き、集団から遅れそうになったとき、背中を押してでも、手を引っ張ってでも自分とともに走ってくれた仲間。何度もぶつかり合ったが、誰よりも声を上げて応援してくれる仲間。  「なんだ、試合に出られなくても、自分にはこんなに仲間がいるじゃないか」  全員の顔を見た瞬間、涙とともに心残りは流れ出て、「仲間を支えよう」と決意した。
 ノックが終わり、最後に監督から  「おつかれさん、これからはチームを支える存在になってくれ」 と言われ、自分は笑顔で、三年間の中で一番の返事で応えた。