中村時広

昭和35年1月25日生まれ
趣味/読書、スキー、バドミントン
尊敬する人/福沢諭吉
座右の銘/至誠通天

【中村時広事務所】

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DJ中村時広 FM愛媛/えひめ・熱中・夢中人! 南海放送ラジオ/おーい中村さん!

6月20日放送分 感動物語「賢者のおくりもの」

 先週に続きまして愛媛県の昨年度に実施した事業、「愛顔感動ものがたり」の入選作朗読をお送り致します。
この事業では、人それぞれの人生における愛顔に繋がる感動的なエピソードを、800字以内の文章で募集しました。 新井満さん、紺野美沙子さん、水城奈々さんらの協力を得て、今年1月に表彰式を実施、会場を埋め尽くした県民の皆さんを感動の世界へ誘うこととなり、事業の継続が決定、今年も7月末まで作品を募集中です。
 それでは今週は、埼玉県の村岡大二さんの作品「賢者のおもてなし」をお聞き下さい。
二十年以上前に、私が日本料理のお店でアルバイトをしていた時のことです。
 ある日、女性の方から予約の電話を受けました。  「大人二人と子供の三人でお願いします。」  お歳を召した声に感じましたので、お孫さんといらっしゃるのだろうと思いました。二日後にそのお客様はいらっしゃいましたが、私は驚いてしまいました。 年配のご夫婦がミニチュアダックスフンドを抱いて、お店に入っていらしたのです。  私は慌てて、「予約を承ったものですが、ワンちゃんが一緒とは聞いていませんが。」と言うと、奥様は「この子は家族なんです。」「でも、他のお客様にご迷惑になりますから。」  すると、御主人がか細い声で「ご迷惑だから帰ろう。」とおっしゃいました。 寂しそうな声に心痛めていると、奥から女将さんが駆けつけて「お待ちしておりました。可愛いお子さんですね。ただ、お食事中はお子様を抱いていただきたく存じます。」そう言って離れにお連れしました。  ご予約では、一般席でしたが、機転を利かせて、空いていた離れにお通ししたのです。ご夫婦は、笑顔に溢れ、楽しそうに食事をされて、ワンちゃんもとても静かでした。
 奥様が再びいらしたのは、翌月でした。  「先日はありがとうございました。」と申し上げると、奥様は「こちらこそ、あんな素敵な部屋で・・・・。実はあの一週間後に主人は癌で亡くなりました。最後の晩餐になりました。 主人は可愛がっていた犬と一緒に最高のおもてなしを受けたことを大変喜んでおりました。本当にありがとうございました。」  私は思わず涙ぐんでしまいました。
 素敵なご夫婦の最後の晩餐と、楽しそうなあの笑顔、それを演出した女将さん。  千金の重みがある一幅の絵でした。  私は二人から、大切なことを学びました。