中村時広

昭和35年1月25日生まれ
趣味/読書、スキー、バドミントン
尊敬する人/福沢諭吉
座右の銘/至誠通天

【中村時広事務所】

〒790-0801
松山市歩行町2丁目1-6
ウインドパレス歩行町1階
Tel. 089-943-8800
FAX. 089-947-8000







HOME > DJ中村時広

DJ中村時広 FM愛媛/えひめ・熱中・夢中人! 南海放送ラジオ/おーい中村さん!

養殖王国

 南予一次産業の未来について、先週の柑橘産業に続き、今週は水産業のお話です。 5月の中旬に愛南町と宇和島市で開催された意見交換会出席に合わせ、愛南町にある愛媛大学水産試験センターに行ってきました。数年前に産・官・学の連携のもとに立ち上がったこの施設は、かつての西海町役場の建物を活用して作られました。全国類似の施設で見れば、他の追随を許さない最新機器が導入されています。研究テーマは単なる専門分野を中心にするのではなく、水産業を業として成り立たせるための実践型研究が中心です。愛媛県の殖漁業は全国でトップ、その未来を担っているといっても過言ではありません。
 「愛媛の水産業のために、実のある成果を出すんだ!」という決意をみなぎらせている所長さんを初めとする皆さんの熱意は、設立からそう年月が経っていないにもかかわらず、既に研究成果を上げ始めています。例えば養殖ブリの場合、肝心の出荷時期に体重が落ちてしまう課題があり、それを打開するため、エサの成分や手法を変える提案をされています。その手法を採用すれば、初めの内はこれまでより軽い体重で成長してゆきますが、出荷前の時期に一気に増加して逆転、生産者の収入アップに直接寄与できるということです。
 また、宇和海の成分が「ヒジキ」の養殖に適していることに着目、他の海域より数倍早い成長を促す方法を研究されています。その説明の最中、ヒジキサンプルの横にパック詰めされた加工品を発見、ラベルを見てみると大分県になっていました。何でと思って聞いてみると、愛媛県にはこうした加工業者が少なく、折角作っても他県に持っていかざるを得ないということでした。逆に考えれば、県内における加工分野での可能性、伸びシロがあるということになります。このほかにも市場評価の高い「マハタ」、「クエ」、「マグロ」などの研究も進められており、養殖漁業の未来に一筋の光明を見た気がしました。
 ここで個人的に疑問が浮かんできます。お寿司屋さんに行くと、天然を売りにする「おしながき」をよく目にします。日本人には天然モノが美味しくて、養殖は多少落ちるという凝り固まった先入観があるのではないでしょうか。肉に関して言えば、これが全く逆です。農家が手塩にかけて丁寧に育てた牛や豚が、高級ブランド品となります。肉の世界では、作り手の顔が見え、安全なエサや飼育に拘った養殖モノこそが、高級品なのです。何故こうした逆転現象が起きているのでしょうか。恐らくそれは、かつて養殖魚のずさんな飼育が社会問題となったことで、養殖魚はどうなのかという先入観が、国民の間に広く刷り込まれた結果だと思います。
 海の汚染、漁獲制限などを考えると、魚の養殖が今後、世界的に重要視されていくことは間違いありません。肉や野菜のように、作り手の名前や写真、やバーコードを活用した飼育履歴などの情報提供を行えば、養殖から高級ブランドへの転換は可能なのではないでしょうか。そのためには、愛媛県の水産業から「養殖」という二文字を消し去ることも一考に値するのではないかと思います。その代わりを担う新しい言葉があればと、あれこれ考えているのですが、なかなか思い浮かびません。養殖魚イメージアップ大作戦、皆さん、いい言葉があれば、ぜひ提案願います。