中村時広

昭和35年1月25日生まれ
趣味/読書、スキー、バドミントン
尊敬する人/福沢諭吉
座右の銘/至誠通天

【中村時広事務所】

〒790-0801
松山市歩行町2丁目1-6
ウインドパレス歩行町1階
Tel. 089-943-8800
FAX. 089-947-8000







HOME > ダイアリー

ダイアリー

伊方原発に関するメッセージ 平成23年(2011年)

2011年3月17日

東京電力福島第一原子力発電所事故の発生及び追加安全対策の要請について

深刻な事故が発生した原子力発電所について、現段階でのご報告をいたします。

愛媛県は四国唯一の原子力発電所立地県であるために、県民の皆さんの不安も大きくなっているものと思います。そこでまず四国電力社長を県庁に呼び、今回の事故の情報収集と分析、規定にしばられない更なる安全策の検討と実施などを強く求めさせていただきました。

また、冷静な判断が必要との認識を持って、翌日、伊方原子力発電所に赴き、現時点での疑問点について確認を 行って参りましたのでご報告させていただきます。私も専門家ではありませんから、皆さんと同じ視点で疑問点をぶつけて参りました。それを差し引いてご参考 願えれば幸いです。

(1)地震のメカニズムと津波(ポイント―プレート型・水深)

今回の地震は、震源地が三陸沖の海底約一万メートルの深い場所で発生したプレート型地震です。太平洋プレー トが沈み込む境界でひずみがたまり、陸のプレートが跳ね上がって起きました。大きいところで8メートルもずれ動いたとも言われていますが、深海であったが 故に海水の容量も膨大で、それが大津波につながったものと推測されます。

愛媛県近くで同様のプレート型地震が発生する可能性があるのは、四国南方沖を震源とする南海地震です。この 場合は伊方発電所からかなりの距離があり、また内海という地理的な条件もありますので東北地域とは異なった状況となります。同地点でマグニチュード8.6 の地震が発生した場合、伊方発電所で想定される津波は「1.90メートル」とのことです。(満潮時)

一方で、伊方発電所前面海域で地震が発生した場合も懸念されます。震源地は近くなりますが、プレート型では なく、断層が横ずれすることによって地震が生じます。また、この海域は水深が80メートルほどで、海水の容量は少なくなります。同地点でマグニチュード 7.8の地震が発生した場合、横ずれすることでは津波の発生はほとんどないことから、縦ずれすると仮定してより厳しく評価した結果、伊方発電所で想定され る津波は「4.25メートル」とのことです。(満潮時)

伊方発電所は「海抜10メートル地点」に立地しており、予想される津波と立地場所からすれば、福島の条件と は異なると思います。ちなみに福島発電所は太平洋に直接面している場所ではありますが、海抜6メートルに立地された施設であったとのことです。伊方発電所 の場合は立地条件から見て、津波以上に揺れに対する対策が重要であるように思います。もちろんこうした数字が妥当かどうかは、今後とも常に検証が必要であ ることは言うまでもありません。

(2)揺れ(ポイント―基準地震動)

伊方発電所の場合、あまり聞きなれないガルという単位なのですが、「570ガル」という地震動で評価されています。この数字を取り扱う上で注意すべきは、どの場所で、どのような条件下なのかということです。

例えば地盤の強弱によっては、同じ揺れの強さでも数字は大きく変わります。また同じ場所でも地下、地上、建 物といった観測する位置によっても大きく変わります。建物の高いところで観測すれば、必然的に数字は大きくなります。ニュースなどでこの数字が単純に示さ れ、それが独り歩きすることには注意が必要です。

伊方発電所の「570ガル」は、岩盤を基準としています。先ほどお話し申し上げた南海地震の場合、伊方発電所敷地での最大加速度は「94ガル」と想定されていますので、数字的には余裕があります。
ただ、ここで是が非でも知りたいのは、今回、福島発電所の岩盤でどの程度の数字が計測されたのかということです。その数字が明らかになれば、「570ガル」の妥当性が判断できるのではないかと思います。

(3)ディーゼル発電機(ポイント―設置場所)

福島発電所の被害が拡大した最大の原因は、発電機が使用不能となって冷却水の供給が滞ったことにあるのは間違いありません。通常の電源が喪失しますと、非常用のディーゼル発電機が動き出すことになっています。

福島発電所ではこの発電機が「地下」に設置されており、津波によって機能停止に陥りました。伊方発電所のディーゼル発電機の設置場所は「地上10メートル」であり、この点は大きな相違点と言えます。

今回は最悪のケースとして冷却水を注入するため、通常配備されている消防自動車が投入されました。今後は冷却水を注入する電源の確保などがこれで十分なのか、国レベルで議論が起こってくると思います。

以上、県民の皆さんの不安を少しでも解消できればと願いつつ、ご報告させていただきます。今後とも、県下の 引き続き安全確保策に真摯に取り組みますとともに、エネルギー政策を所管する国に対して、地域から様々な申し入れや要請を行うとともに、四国唯一の原子力 発電所立地県として、四国電力に対して徹底した安全対策を求めていきます。